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2018-10-04

志太の家 

第7回チルチンびと住宅建築賞 若手建築家部門佳作受賞

 

 藤枝市の車通りの多い道に面した敷地に、建主さんが経営されるお店の横のお住まいを建て替えました。以前は雨漏りを繰り返す鉄骨造のお家にお住まいで、これからは木の香りのする落ちついた家に住みたい…というご要望でした。

 

 40代のご夫婦とお母さんが暮らすお住まいは、人の目を気にすることなく窓から四季のうつろいを楽しめるように、1階の奥に家族団らんの場をおき、その周りを庭で囲み、深い軒下にデッキと縁側をつくりました。

朝、窓をあけて、樹々の四季のうつろいを見るのが楽しみになったそうです。

障子から入るやわらかな光、障子の開け閉めで夏の日差しをカットし、冬のあたたかい日射しをとり入れます。

窓を全開にするとデッキから庭につながり広く見えます。

キッチンはセパレート型、流しのうしろにコンロがあり、少ない動きで料理ができます。引き戸を開けるとデッキにつながり、ゴミをだしたり洗濯物を干したり、素足のまま移動でき楽です。床はコルクタイル、少しずつ艶がでてきます。

一体成型のステンレスのカウンター、シンクの幅・奥行ともに広く、水切板とまな板がスライド式なので、切ったり洗ったりが同時に行えて便利です。

浴室から見た、浴室→脱衣室→洗面室→トイレ。一直線上に配置し、建具の開け閉めで区切ります。将来を考えて車いすを介助できる広さにしています。

玄関ポーチ。緩やかなスロープをのぼり玄関へ。車庫との屋根の隙間とトップライトから落ちる光が、日々刻々と変わり面白い

玄関の引き戸を開けると目に入る景色、壁の美しさがひき立ちます。

雨の日に、窓を開けて雨音を聞き、湿り気を含んだ空気を感じながら庭の樹々を眺める楽しみ。雨が好きになります。

庭の樹々。株立ちの落葉樹を自然のままの樹形で植えます。

冬の暖房は薪ストーブ。薪ストーブの火は家全体を包むように暖かい。その暖かさは、夜に炊けば朝までつづきます。

2階のストーブの煙突。家の中心に配置した薪ストーブは家全体をあたため洗濯物も乾かします。一直線に伸びる煙突の掃除は楽なので、建て主さんもできるようになります。

庭の紫陽花。

一輪の花の美しさ、四季のうつろい、ただよう風や香り、毎日の生活のなかで、何気なく感じてもらえたら幸せです。

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